家庭教師は大学生が行うアルバイトと言うイメージがありますが、現在、副業で人気なのが『家庭教師』です。
こちらの記事で「副業としての家庭教師」に興味がある方のために役立つ情報をまとめています。
「家庭教師って副業としてどうなの?」「自分の本業と両立できるかな?」という方の参考になれば幸いです。
副業を始める人が増えています
近年、副業・兼業についての動きが高まっており、副業・兼業を解禁する企業も増えてきています。
厚生労働省も2018年1月より「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を作成し、働き方改革の一環として副業・兼業を推進しています。
※出典:副業・兼業の促進に関するガイドライン – 厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11200000-Roudoukijunkyoku/0000192844.pdf
テレワーク(リモートワーク)の普及により場所を問わず、働けること、自由に使える時間が増えたこともあり、副業を始める方が増えてきています。
副業に家庭教師がおすすめな理由
副業として家庭教師を行う方が増えています。副業に家庭教師がおすすめな理由をご紹介します。
人手不足
副業として家庭教師をおすすめできる理由の一つとして、家庭教師業界の人手が不足しており、お仕事が始めやすいと言われています。
社会人講師の需要がある
家庭教師といえば、大学生の『学生講師』がほとんどで、年齢が近い分、子どもたちから『親近感』を得やすいという特徴があります。
一方、『社会人講師』は様々な経験があるからこそ、懐深く子供に授業(対応)する事ができるため、生徒・保護者から『安心感』をもってもらいやすいという特徴があり、学生講師同様に需要があります。
バレにくい
「副業をしたいけど、なんとなくためらう」という理由の一つに、「努めている会社や同僚などに副業していることをバレたくない」という方もいるかも知れません。
副業がバレてしまうのは「接客業などで、不特定多数を相手にする際に知り合いに見つかる」タイミングや、「住民税徴収」のタイミングが多いです。
家庭教師は、基本的に生徒一人を指導するお仕事なので、生徒が知り合いであった場合を除いて、同僚などに見つかることが少なく『バレにくい』です。
また、家庭教師の雇用形態は家庭教師派遣会社からの『業務委託』であることが多いので、住民税は『普通徴収※』で、自分で納付できるので、会社に知らせることなく住民税の納付ができます。
※家庭教師派遣会社との契約時に、《家庭教師で得た報酬分の住民税の支払いを『自分で納付』》を選択する必要があります。
※住民税の普通徴収・特別徴収とは…
通常のアルバイトのように『給与所得』の場合は、給与から住民税を天引きされる『特別徴収』となります。
そのため、副業で住民税を『特別徴収』されている場合、本業の会社へ役所から通知書が送付されることや、本業の給与から天引きされる税額が変わるなどで、副業がバレてしまいます。
家庭教師は『業務委託契約』となることが多く、収入は『雑所得』となるので、自ら納税する『普通徴収』とすることができます。普通徴収なので本業の会社へ知られる可能性が少ないです。
普通徴収は、市区町村から納税通知書が自宅などに届くので、その納税通知書に従って自身で納付します。(年4回で払うのが一般的ですが、一括で納付することもできます)
家庭教師の仕事内容とは
家庭教師のお仕事とは、先生が生徒の自宅などに訪問し、生徒に1対1(マンツーマン)で勉強などを教えるお仕事です。
主に、生徒は小学校から高校生(浪人生)で、国語、数学、英語など五教科に加えて小論文なども指導します。(教える教科は自分で選ぶことができます。)
受験勉強などのハイレベルな指導だけでなく、通常授業がついていけるように「日常学習のサポート」や、「勉強の習慣付けのため」「基礎学力の向上」など、様々な需要があります。
家庭教師の授業は1コマ単位で授業を行います。1コマは60分~90分が一般的です。
授業の日程や時間は生徒との間で調整できるので、『時間の融通が利きやすい』ことは大きな特徴の一つです。
オンライン家庭教師
これまで家庭教師といえば、先生が生徒の家に訪問し直接指導するスタイルが一般的でしたが、近年、ICTの技術が進み、『オンライン家庭教師』も増えてきています。
生徒の家へ訪問せず、自宅からインターネットを介し画面上で指導を行えるので、移動時間もありません。手軽に始めやすいので副業にオンライン家庭教師を行う方が多いです。
大人向け家庭教師
子供に教える家庭教師だけでなく、『大人向けの家庭教師』サービスも人気です。
大人の家庭教師は「スポーツや音楽などの趣味」「語学」「資格」など教えるテーマをさまざまです。大人の学びの需要が増えてきており、近年人気のサービスとなっています。
副業家庭教師に向いているのはこんな人
勤務先が副業を許可している(必須)
今の仕事先で、最低でも「副業を禁止されていない」必要があります。
副業OKかどうかよく分からない…という方は、勤め先の就業規則を確認しましょう。
副業禁止の企業に務めながら副業はリスクを伴います。
固定休みの仕事をしている
平日は週4~5で塾に通い、土日に家庭教師に来てもらうという『塾と家庭教師の併用スタイル』のご家庭が増えてきています。
特に中学受験生の生徒の場合、ホットな時間である「土曜日の午前中」などに指導に入れる『土日休みの方』は需要があります。
一方、「塾の代わりに家庭教師で勉強したい子」や、「平日の昼間にも指導してほしい不登校の子」などには『平日休みの方』の需要があります。
家庭教師のスケジュールはある程度曜日が固定されたり、時間が固定されたりするため、不定休(休む曜日を自分でコントロールできない)で働いている方は向いていないかもしれません。
自分と生徒さんのスケジュールを逐一すり合わせる手間が発生するため、お互いに負担が増えてしまうからです。
家庭教師の適性がある
教えることにやりがいや喜びを感じられるタイプの方は、家庭教師に向いているといえます。
例えば、「教えるのがそもそも好きじゃない」のであれば、なかなか生徒が理解してくれないなどで『イライラ』してストレスが溜まったりしてしまうので、家庭教師には向いていないかもしれません。
また、コミュニケーション能力があり、相手の気持を考える力や相手に合わせてコミュニケーションできることも大切です。
副業家庭教師に必要なスキル・経験
副業に家庭教師を行うために必要なスキルや経験についてご紹介します。ぜひ参考にしてみて下さい。
【ほぼ必須】
塾などでの指導経験
指導経験といっても、「大学生時代に塾でアルバイトをしていた」程度でOKです!
週1回でも、1教科しか教えていなくても、小学生の補習しか見たことがなくても、指導経験としてアピールするには十分です。
指導期間が長かったり、教えた人数が多かったり、生徒を合格させた実績があれば尚良いです。
逆に、全く経験のない方が家庭教師のお仕事を見つけるのは難しい(というより無理に近い)とお考えください。
「受験から何年も経っていて、子どもに勉強を教えた経験もない人」にわざわざお金を払ってまで来てもらいたい、というご家庭は基本的にないからです。
【あれば有利】
中学受験の経験
受験した学校のレベルは問いません。
あるいは、受験したけれども不合格で、公立の学校に進学した…というご経歴でも構いません。重要なのは、『中学受験を経験した』という事実です。
“公立中に進学するためにのんびりと過ごしている友達に囲まれながら、ストイックに受験勉強をし、人生で初めての試験を一人で受けた”という「経験」が価値となるからです。
そのような経験を持つ人であれば、そうした状況に置かれている受験生(小学生)の気持ちを察してあげることができ、より適切な指導や声かけをしてあげられる可能性が高いからです。
中学受験は高校受験と異なり、受験する人口が限られていることから、受験から十何年とブランクのある方でも需要は十分にあります。
相応の学歴
社会人になってみると、「学歴」ひとつで評価されることはほとんど無くなってくると思います。
勉強を頑張って、有名な学校を卒業した方ほど、なんとなく勿体ないような気持ちを覚えるかもしれません。その「学歴」が再び脚光を浴びるのが、家庭教師という仕事です。
著名な高校・大学の出身者であれば、「○○高校を卒業した先生に指導して頂きたいです」など、学歴で指名での需要もよくあります。
資格など
英検・TOEIC・漢検また、教員免許などの資格保持者は十分な知識を持っているとされ、優遇されることもあります。
副業に家庭教師を選ぶメリット・注意する点
メリット
副業に家庭教師を選ぶメリットとして、
- 週1日から始められる
- 効率良く、確実に稼げる
- 肉体労働ではない
- やりがいや達成感を感じられる
などが挙げられます。
本業とプライベートの時間のスキマで効率よく働けるので、家庭教師はすごく副業に適しています。
注意すべき点
副業で家庭教師を行う上で、注意すべき点・心構えておくべきことを一部ご紹介します。
- 受験前はプレッシャー
- 確定申告に注意
- 本業との兼ね合い
など、副業とは言っても『仕事』であることには間違いなく、通常の仕事のように『責任』が伴います。
副業家庭教師のスケジュール
家庭教師を副業している場合のスケジュールをご紹介します。
平日の夜の時間帯に家庭教師を行っている場合
- 07:30 《起床》
- 08:30 《出勤》
- 19:00 《帰宅(または生徒宅へ訪問)》
- 19:30 《授業開始》
- 21:00 《授業終了》
- 21:30 《帰宅》
- 24:00 《就寝》
土日に家庭教師を行っている場合
- 09:00 《起床》
- 12:30 《生徒宅へ訪問》
- 13:00 《授業開始》
- 14:30 《授業終了》
- 15:00 《休憩→次の生徒宅へ訪問》
- 15:30 《授業開始》
- 17:00 《授業終了》
- 17:30 《帰宅》
- 24:00 《就寝》
上記は一例です。
上記には、生徒宅へ訪問する移動時間がありますが『オンライン家庭教師』であれば、自宅で授業ができるのでより時間を有効的に、また効率的に仕事を進めることができます。
副業家庭教師の始め方
「マッチングサイトに登録する」or「家庭教師派遣会社に登録する」家庭教師を始める方法は他にもありますが、最もお手軽かつメジャーな2つの方法について解説します。どちらもWEBから簡単に登録できます。
マッチングサイトに登録する
マッチングサイトを介し、ご家庭と個人的に契約を交わし、直接(手渡しで)指導の対価を受け取るスタイルです。
自分の責任でいろいろとやることが増える(人任せに出来る部分がない)ので大変ですが、それでも「自由にやりたい!」という方に適しています。
流れ
①登録
マッチングサイトを探し、「講師登録」等のページで氏名・住所・学歴・指導歴・指導できる科目・自己PRなどの必要事項を記入し、登録を済ませます。
②オファーを待つ/営業をかける
ご家庭(生徒)からのオファーを待ちます/講師を公募しているご家庭に自分を売り込んでいきます。
③オファーの承諾
オファーが来たら、時給・場所・スケジュールなどの条件を確認し、受けられるかどうかの返事をします/売り込みが受け入れられたかどうかを確認します(※マッチングサイト上で行うのは大体ここまでです)。
④初回指導日設定及び初回指導
個人的に連絡をとりあって、初回指導日を設定し、決定した初回指導日時に家庭に訪問し、指導をします。
⑤次回指導や、今後についての取り決め
次回の指導日等を決めて、帰宅します。
以降はすべて先生とご家庭の間でやりとりをし、指導終了(契約終了)まで続けていきます。
メリット
- 報酬の交渉ができる
- 報酬を中抜きされない
- 相談次第で、指導のスタイルやスケジュールを柔軟に決定できる
デメリット
- 自分の営業力で仕事を得る必要がある(仕事にありつくまで手間がかかることがある)
- トラブルがあった場合、当事者同士での解決が求められる
- 指導の結果をきちんと書面に残す等の工夫をしておかないと、指導実績を証明するものが手元に残らない(次の仕事につなげづらい)。
個人契約ができる代表的なサイト
「マッチングTeacher」
https://www.match-t.com/
「家庭教師の総合情報」
http://kojin.tands.to/boshuu/su3_list/su3_list.cgi
「家庭教師のASK」
http://www.abilityfuse.co.jp/ask/
上に挙げたものはごく一部で、他にもたくさんのサイトがあります。
個人契約は他の優秀な講師と競い合う形になるので、仕事を取るまでが大変です。
できるだけたくさんのサイトに登録して、広く自分をアピールしておきましょう!
家庭教師派遣会社に登録
家庭教師派遣会社に登録し、会社からの派遣(もしくは業務委託)という形で、企業を経由して指導の対価(報酬or給与)を受け取るスタイルです。
派遣会社がマッチングなどを行ってくれますので、副業らしく、あまり手間をかけずに仕事にありつきたい方におすすめです。
他にも教え方の研修をしてくれたり、最新の受験情報を教えてくれたりする企業もあります。
まずはこちらのスタイルで働いてみて、様子を見ると良いかもしれませんね。
流れ
①登録
派遣会社の「講師募集」等のページで氏名・住所・学歴・指導歴・指導できる科目・自己PRなどの必要事項を記入し、登録します。
②派遣会社からの初回連絡
数日中に派遣会社から何らかのリアクションがあります。
「あなたについてもっと詳しいことを教えてください!」と電話がかかってくることもありますが、より具体的な指導歴などを収集してマッチングに繋げる(あなたをご家庭に売りだすポイントを探す)ことが目的ですので、警戒しなくて大丈夫です。
疑問や質問、どうしても譲れない条件などがあればここで話しておくと良いと思います。
③オファーの検討・承諾
派遣会社からの連絡を待ちます。
「こんな仕事があるんですがどうですか?」という提案がきたら、受けられるかどうか検討し、返事をします。
④契約
初めて仕事を受けるときは、契約書等の記入や研修のため、仲介企業のオフィスに赴く必要がある場合もあります。
本業の都合で、なかなか時間が取れないということもあると思いますので、あらかじめ来社が必要な企業かどうか確認しておくとよいでしょう。
⑤初回指導
派遣会社が先生とご家庭のスケジュールをすり合わせて、初回の指導日時を決定します。
メールや電話などで伝えられますので、確認します。初回の指導日時に家庭に訪問し、指導を行います。
⑥初回指導後
指導が終わったら、次回の予定を確認して、帰宅します。
以降のスケジューリングは、派遣会社によって方針が異なります。先生とご家庭にお任せする場合、派遣会社が設定して連絡する場合など。
⑦報告書提出(会社による)
定期的に指導報告をする必要がある派遣会社もあります。
⑧報酬受取
会社の支払いサイトで指定の口座に報酬が振り込まれます。
メリット
- 派遣会社が適切な仕事をピックアップして、あてがってくれる(仕事を探す手間が省ける)
- 契約が明瞭
- 報酬が確実に支払われる
- 実績に応じて昇給の可能性がある
- 研修等が受けられる
- トラブルがあった場合、派遣会社が間に入って処理してくれる
- 家庭教師をやめる際など、代わりの先生を見つけてくれる
- 契約内容や合格実績が書類として残る=指導実績を証明できるものが残る
(派遣を継続する場合はもちろん、いずれ個人契約に乗り換える場合でも、次の仕事につなげやすい)
デメリット
- 案件があれば即日連絡が来るが、なければずっと仕事が来ない
- 来社等の手続きが必要なことが多い
- 中間マージンが抜かれる
- 実績を上げても、昇給を渋られる場合がある
(報酬の交渉がしづらい。昇給の要件などを予め確認しておくとよいでしょう)
『オンライン家庭教師』は特に副業に向いている
冒頭で先述していますが、現在オンライン家庭教師市場が興隆しています。
オンライン家庭教師は、地方や海外に住んでいたり、プライベートでの旅行先にいたりしたとしても、全国にお客(生徒)がいるので連続で授業を入れることや、ちょっとしたスキマ時間に授業をいれやすい(働きやすい)です。
また、生徒側も夜遅い時間(22時過ぎ等)に先生が来ないので、その配慮(迎い入れ準備)などをしなくて良いことから、夜遅い時間帯でのオンライン家庭教師の需要があります。
オンライン家庭教師は、時間も場所も融通が利きやすいため副業に特におすすめです。
2018年は副業元年と言われています。
今後、副業に対し世の中がより柔軟になっていくことが予想されます。「家庭教師」は社会貢献度の高いお仕事で、副業として適しています。
本業と副業とをバランスよく保ち、豊かな生活を送れるとよいですね。